この記事では「アクタージュの最終回ネタバレ」をご紹介しています。
「アクタージュ最終話(123話)の最後の結末が気になる」
という方はぜひお読みください。
アクタージュ最終回までのあらすじ
女優志望の夜凪景。
彼女は蒸発した父が残した数多くの映画を見ることで、役を演じるために自らの過去を追体験する「メソッド演技法」を独学で極めていた。
景は稀代の演出家である黒山に見出され、役者としての人生をスタートする。
端役からのステップアップ。
映画「デスアイランド」では、スターズの看板女優にして、同世代のライバルとなる百城千世子との出会い。
舞台「銀河鉄道の夜」では、憑依型カメレオン俳優の阿良也と共演、巌の死を賭した指導。
千世子とのダブルキャストで注目を浴びた「羅刹女」では、父と不貞の関係だった花子の演出をハリウッド帰りの王賀美と演じ切った。
大掛かりなプロモーション活動もあり、今や景は時の人。
黒山の最終的な目標は、景を主役にして自分の映画を撮ることだった。
そのための次なる目標は大河ドラマ。
「キネマのうた」は主人公である薬師寺真波の三世代ドラマのため、景のほかに環と皐月の3女優で演じることに。
そこで3人は真波の育った鎌倉で共同生活することで、役作りのイメージを共有するのだった。
アクタージュ最終回のネタバレ
大河ドラマは1話約45分で放送期間は1年。
月がリハで、火~金で撮影して1話を撮り終える。
このルーティンが1年間も続くのだ。
そして今日は月曜日。
「キネマのうた」第1話のリハーサル日だ。
目を覚ました皐月は、真波を演じられる女優はいないと語る真美を思い出す皐月。
スミスの送迎にほかに環や景も同行する中、スタジオで精一杯頑張るとスタッフに自己紹介をする皐月。
しかし、祖母役の真美が来ていないのだ。
憤慨する景だが「大丈夫」と答える皐月。
大人も子供も関係ない世界に慣れなくてはと環は景に声をかけるが、自分自身も年齢が関係ない対等な世界を奇妙だと感じているようだ。
スタジオではシーン10のリハがスタートした。
祖母役の真美に代役を立てて演じる皐月。
緊張して見るスミスをはじめ、子役芝居が抜けた皐月に誰もが驚く。
鎌倉での共同生活を認めるなどスターズの変化を実感する監督は、不安げな皐月に良かったですとOKを出すのだった。
一度スタジオを飛び出すと、廊下で足をジタバタさせて喜びを噛みしめる皐月。
上ばかり見るのではく、下である子供の成長も怖いと話す景は、皐月が描いたノートに気が付いた。
「大人になっても女ゆう」という絵に違和感を覚える景。
皐月の母親とスターズは、皐月の活動は子役までの期限付き契約をしていたのだ。
今回の大河で母親の気持を変えようと一生懸命だった皐月の本心を知り、共同生活の日々を思い出す景。
始めさせておきながら芸能界を辞める準備もする。
大人なんて勝手なものだと景に語る環。
一方、脚本家の草見は一服しながら中島プロデューサーと話をしていた。
毒を喰らってまで成し遂げた「キネマのうた」という企画。
それ相応の覚悟で起用した薬師寺真波の愛娘である真美。
草見は真美こそが毒だと断言するのだった。
アクタージュ最終回の見どころ
皐月の成長
遂に始まりました「キネマのうた」の撮影。
真波役を演じる3女優のトップは子役の皐月です。
皐月の芝居次第で景と環の演技の指標が決まるだけに、そのプレッシャーはどれほどか。
しかし、皐月は緊張に臆することなく、リハを堂々と演じました。
子役時代の演技を知る現場が、皐月の演技に感心するほど。
「さなぎちゃん」の愛称で親しまれた皐月が文字通り成長したようです、
それでも監督からOKをもらい喜ぶ姿は、やはり年相応の女の子。
マネージャーとして付き添ってきたスミスの嬉しそうな表情が印象的です。
しかしスターズとの契約は子役の間までという現実。
親のエゴで始めて親の都合で辞めさせようとする理不尽さ。
大人は勝手という環のセリフは、当事者である子供の意向が存在しないことを端的に表しています。
毒を喰らわば皿まで
皐月の好演で順調なスタートで始まった「キネマのうた」の撮影。
しかしながら、草見には懸念材料がありました。
真波の祖母役を演じる真城寺真美の存在です。
真美の起用を「相応の覚悟」、ラストのセリフに至っては「毒」とまで言うほどです。
確かに用事があるとはいえ、1年間に及ぶドラマの撮影初日に姿を見せないなど、確かに一癖ありそうな存在です。
今の若手の女優に母を演じることは不可能と思ってか、景たちを軽く見ている節があります。
おっとりした口調とは裏腹にチクチクと嫌味を言うタイプ。
リハでは好調だった皐月が、本番で真美に潰されないか心配です。
芸能界では大御所的なポジションだけに、誰も真美に文句を言えず現場が混乱しなければ良いのですが。
果たしてモデルはいるのかな?
急転直下の最終回
真美、そして若手女優トップである環との勝負など、これから大河を軸に期待されたであろう景の活躍でしたが、ここで事態は急展開を迎えます。
それは作品内ではなく『アクタージュ』執筆側の不祥事でした。
当時はニュースで放映されたのでご存じの方も多いでしょう。
わいせつ事件による原作者の逮捕です。
色々と余罪があるようで事件の詳細は割愛しますが、本作は真美の墓参りという意味不明なラストシーンで終わりとなりました。
当時の「ジャンプ」連載陣の中では勢いのあった作品だけに、断腸の想いで掲載の中止を決定したかと思われます。
差し替えをする時間的余裕さえなかったのであろう最後のページ。
収録予定だった13巻は販売の見通しが困難なことから、せめてあと1話だけ連載して物語にケリがつけられていればと、思わずにはいわれません。
アクタージュ最終回の感想
“努力・友情・勝利”の「ジャンプ」では異端の作品でありながら、独特の魅力で好評を博した『アクタージュ』。
それだけに、突然の最終回は誰もが驚いたことでしょう。
現実世界では、リアル夜凪景のオーデションや、舞台「銀河鉄道の夜」など、さまざまなビックプロジェクトが全て中止。
本作自体も単行本が発売されない限り、この後に用意されていた景たちの活躍は永遠の謎となりました。
経済的損失もさることながら、ファンとして続きを読むことのできない喪失感は、今もなお大きなショックです。
大河ドラマを経験した景が黒山作品に主演して、千世子をはじめ多くのキャラたちが出演するオールキャスト。
そんな観るもの全てを感動させる映画が描かれたかもしれません。
“罪を憎んで人を憎まず”とは言いませんが、真の最終回が発表される機会があらんことを。